ごめんください、と玄関先で声をかける。家主の奥様が、はあい、と応えて出ていらして、わたしの顔を見て少し驚いたあと笑い出した。
「まあまあ、ごめんなさいね。とてもきれいな声だったから、どこの素敵な奥さんがいらしたかと思って、こちらも気取って出てきたらアマモリさんだったものだから。格好つけた自分がおかしくて」
ええと……褒められた!声はいいって!
素敵な奥さんを期待した先に立っていたのがアマモリでは、それは笑う。わたしだって笑う。
声は合格らしいから、素敵な奥さんになるためにはあと、性格と物腰と立ち居振る舞いと教養と顔とスタイルを何とかすればいいだけだ。たったの六項目ではないか。がんばる。
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