予約をとるため美容院の会員カードの裏を見ながら電話番号を入力する。数回の呼び出し音の後、受話口から聞こえてきたのは
「はい、カラオケボックス○○です!」
あ、間違えました、すみません。と切る。慎重にしたつもりだったが押し間違いがあったようだ。たまに行く別の店にかかってしまった。もう一度丁寧に一文字一文字確認しながらボタンを押していく。
「はい、カラオケボックス○○です!」
おかしい。二度も同じ番号に打ち間違えるなどということがあるだろうか。そもそも参照している番号が違うのではないか。カードの表を返してみるが、やはり行きつけの美容院である。
首をひねりつつもう一度裏返す。そのとき、つるり、と指の中でカードがすべる。
会員カードが割れる。縦にでも横にでもなく。
「厚み」が割れた。
美容院のカードに、カラオケの会員カードが重なっていただけだった。
PR