スーパーのお手洗いに「いつもきれいに使っていただき、ありがとうございます」と張り紙があった。
「汚すべからず」を言いかえた表現だ。何年か前からあちこちの店舗で見るようになった。今となっては定番の言い回しだが、定番になるだけあって、やわらかくワンクッションおいたいい言い方だと思う。
さて、その上に別紙で何か書いてある。これも注意書きだ。
「トイレに携帯電話・カイロなどを落としたときは、そのまま流さずに従業員をお呼びください。無理に流すと詰まります。」
さらに目を落とすと、「きれいに使っていただき云々」の下にも何か貼られている。
「トイレットペーパーの持ち去りはおやめください。」
「無理に流すと詰まります」
「いつもきれいに使っていただき、ありがとうございます」
「トイレットペーパーの持ち去りはおやめください」
感じのいい表現に思われた真ん中の言葉が、とたんに嫌味に聞こえる不思議。
やはり文章で大事なのは文脈だ。書き手としてたいへん勉強になった。ありがとう、お手洗い。
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