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洗濯機のふたを開ける。洗い終わった衣類が渦を巻いている。
電源をいれる。スタートボタンを押す。
洗濯脱水済みの服の上に注がれる水。
……なにをやっているのだ自分は。
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口げんか。
「君が寝ている間に顔に濡らした和紙をはりつけてやるから覚えてろ!」
「なんでぬらしたわしなんだ?」
「え?時代劇で殿様がそうやって暗殺されるよね?」
「痛そう」
「いや苦しそうではあるけど痛いかな?」
「たわし顔に置いたら痛いだろ」
「濡らし『たわし』ではなく!濡らした『和紙』だあ!」
たわしを持って殿様の部屋に入っていったら怪しすぎるだろう。和紙と水桶もそれなりに奇異だが。
夏の盛りに岩手県北部をドライブしたときのことだ。ある駐車場に「ろしあ」とペイントされた除雪車が停まっていた。
来るべき冬に備えて今からメンテナンスをしておくのだろう。東北の夏の短さを思い、白銀の冬に心はとぶ。
ロシアの文字はどんな寒さにも負けない気概を示したものだろうか。それともこの除雪車そのものがロシア産なのかもしれぬ。遠い冬の大陸から、巨大な鉄の船が、物言わぬ重機を乗せてくろがねの海を渡る。なんという硬質な叙情。
除雪車が越えてきた海を心に描いているうちに、窓の景色はどんどんかわる。
西根町。鉱山で働いていた人たちのために発展した商業地。道は商店街を抜けていく。
松尾村。その鉱山があった村。鉱山は既に閉山し、今では廃墟好きの憧れの場所となっている。本日は素通りするが、いつか訪れてみたいものだ。
山ひとつこえて安代町。立派なスキージャンプ台があると聞く。スキーの町なのだ。
ん?安代町?安代?あしろ?
先ほどの除雪車に書いてあった文字は確か。
灰色の大海を進む鉄の船のイメージは幽霊船のように消えて、車内に再び夏が戻った。
てもちブタさん、と言いたかったのだろう。念のため解説すると、「手持ち無沙汰」にひっかけて。
子(し)のたまわく、子豚の置物をてのひらに乗せて
「手乗りぶたさん」
言い間違っている。台無しだ。
洗濯して干しておいた衣類を取り込んでたたんで、
自分の分をまとめて部屋に行こうとしたけど、
自室で飲むものがほしいからお茶を用意して手に取り、
改めて空いたほうの手で服の束を持ち上げたときに、
持っていたお茶をこぼした。
乾いてたたまれた複数の洋服の上に。
床が汚れなくてよかった。よかったんだ、これで。
虫系の話。注意。
米粒より少し大きいくらいの黒い蜘蛛が洋服の裾から垂れ下がっていた。生きたまま移動させようと、そっと、慎重に、ゆっくりと、つぶさぬよう、細心の注意をもって、手にのせ、外に出す。
ただの糸くずだった。
拾って指で丸めてゴミ箱に捨てた。
以上、四日間にわたってお送りした「○○と思ったら別の物だった」四部作はこれで完結です。よくぞ毎日毎日ネタがあったもの。来週はもっと注意深い自分であるよう祈りつつ、今週はこれまで。
急須に茶葉をいれる。
全部テーブルに落ちる。
急須、蓋したままだった。
ディスプレイに虫がいたので手で払ったが、動こうとしない。画面にとまったまま事切れたのかと目を近づけたらマウスカーソルだった。
暗くなっても帰ってこない猫を心配しつつ台所に水を汲みにいったら、流し台の前に小さな白っぽい影が。
なんだここにいたのかと撫でたら、ふにゃりとした感触。
ゴミ袋だった。
大量に買い込んだ食材が傷んだころに、それらを我が家にくれる親戚がいる。この間もりんごを箱で買ったとたくさん持たせてくれようとした。この季節にり んごとは。みればどれも全く赤みがなく緑色だ。そういう色の品種でもない。断る口実をつくるつもりで味について聞いてみた。親戚、まったく悪気なく、
「おいしいよ。すっぱくて」
なんという、なんという見解の相違……ッ!