虫の話です。苦手な方はご注意ください。
散歩の途中見たことがない虫がすごい速さで歩いていた。足が多いような色が混ざっているような形がおかしいような何もかもが判然としない虫である。
目を近づけて見きわめようとする。ああ、これは一匹の虫ではない。蜂と蜘蛛が接近戦を繰り広げているところを、見慣れぬ虫と誤ったようだ。
好奇心にかられて立ち止まって観察する。からみあい離れない二匹。果たして勝負の行方は、と見つめていると。
さささささささ、という平行移動の速度そのままに。
さささささささ、と二匹くっついたままわたしの足を上ってきた。
うえええええええええ!?
虫は怖くないが、蜂にさされるのは嫌である。迅速かつ刺激しないような上級の技術をもって振り払った。
地面を走る速度そのままに垂直移動されるとは予想外。しかもそれが自分の体を伝ってとは。
野次馬もほどほどに。反省して逃げた。
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