暑い。冬に法外な量の雪かきをしたというのに、こんなに夏が長いのでは間尺にあわぬ。何のための北国在住か。冬も夏も存分に堪能できて得だと考えるべきだろうが、そういう方向に思考が向かないほど消耗している。
義母が珍しく麦茶のボトルを倒して水溜りを作っていた。
こんなに暑くては誰だってぼんやりもするだろう。
慌ててふきんを手に取りかけ寄る自分。
こぼれた麦茶を拭こうとかがむと、ふきんを持っていたつもりの手には木製のお盆が一枚。台所を振り返ると、ふきんは先ほどの場所から微動だにせずそこにあった。
……こんなに暑くては誰だってぼんやりもするだろう。
気温が高いといいこともある。ありふれた失敗も暑さのせいにできるではないか。
PR