カレーである。白い服を死守せねばならぬと悲壮な決意をもって作ったカレーである。
こうして鍋におさまっている間はいい。
しかし一度皿に盛り付け食べ始めたらそれは脅威である。いついかなる事故で服が汚れるかわからない。そんな危険なものを何故人は調理し、食べるのか。そこにカレーがあるからだ。
そう。ここにカレーはある。火にかけられた鍋の中で牙をむく時をうかがっている。鍋にあるうちはまだ大丈夫。戦いは皿に盛る時から始まるのだ。
ぽこん、と音を立てて。
温まったカレーがはねた。
盛り付けどころかお玉で触りもしないうちに服に茶色い染みが。
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