古い話だが、自分が高校生のころは理科と社会は科目を選択して受講することになっていた。理科は「化学」「生物」「物理」から、社会は「日本史」「世界史」「地理」からそれぞれ選ぶ。
連れあいもまた同じ世代である。社会では地理を選択していた彼は、日本史を選択していたわたしが「とても歴史に詳しい人」だと誤解しており、しばしば答えかねる疑問を投げかけてくる。
「日本で最初に奇兵隊を組織したのは誰?」
知らない。幕末を舞台にしたドラマを観ている君のほうが詳しいだろう。
「ドラマはまだその時代まで進んでないんだ。お前は日本史を選択していたのだから知っているはずだ」
認めたくないことだがそれはもう20年も前の話だ。覚えているはずがない。
「日本史を選択していたのに?」
では物理を選択していた君はわたしに物理学の基礎を教えられるのか。
勢い良く右手の親指を立てる連れあい。威勢がいい。高校卒業後かなりの時間が経っているのにすごい自信だ。
感心しかけたとき、連れあいが左手もつきだしてくる。こちらはサムズアップでもピースサインでもなく小指と薬指以外の三本の指を立てて……
それは
フレミングの左手の法則!?
ということは右手の形はサムズアップではなく
アンペールの右手の法則!
とっさに物理ネタで返してくるとは恐るべし。
……というか君、それしか覚えていないだろう。
「えへへへへへ」
物理的にも歴史的にも20年は結構長い、そんなお話。
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