キッチンドリンカーではないが、キッチンシンガーなのだ。
歌と口笛を駆使して、一日中ひとりぼっちのオンステージを繰り広げている。
このほど、家の中で口笛を吹かないように義母から要請があった。
歌ならばいくら歌ってもいいとお墨付きをいただいたので、今後は歌一本にしぼることにする。
困るのは、前奏間奏や歌詞のわからない歌、外国語の歌などだ。今までは口笛でごまかしていたが、これからは歌わねばならぬ。
その場のフィーリングで歌詞を作って歌うのは危険だ。切々としたバラードにトンカツの喜びの詞をのせたりして、おかしなイメージが固定したら、今後の音楽鑑賞に差し支える。ここはスキャットで補おう。
しかしながらスキャットも難しい。
「ららら」か「ちゃーちゃーん」か「しゅびどぅばっば」か「てててれれ」か「んん~んん」か「ここんこーん」か「ぴろぴろろ」か「てゅてゅてゅ」か。
どれを選ぶかでセンスが問われそうだ。
とにかく心のままに歌ってみる。
てっててれれー てっててれれー
ぺけぺけぺけぺけぺぺ ぺけぺけぺけぺけぺぺ
ととっととっととっとーと
ととっとととぽぽん
字におこしたら、伝説的な刑事ドラマのテーマがのんきなことに。
まあ誰に聞かせるわけでなし。
外国語の歌は歌詞があるのだから、適当にそれらしく。
ぱーりやー せばえで塩田
ぱーりやー さぶなでべんべん
ぱーりやー ねば円でこっとけーやー
なにやら東北弁の香り。
正しい歌詞を確認してみる(8~10行目あたり)。
中高6年間受けた英語教育の成果に絶望した。心をいれかえて勉強しなおそう。そうしよう。
やはり口笛は万能だ。節さえわかればそれなりに聞こえるのだから。
演奏できる楽器はない。何より楽器を演奏しながら家事をするのは困難だ。それに流しの楽器弾きの如き嫁が歩きまわるのは、家族が落ち着かぬだろう。
やはり、自分には歌しかない。
スキャットの修行はしばらく続きそうだ。
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