昼寝している連れあいを起こそうとすると、またぶつぶつと寝言を言っている。
「・・・・・・ばけおばけおばけおばけ・・・・・・」
お化け?嫌な夢でも見ているのだろうか。肩を揺さぶる。意外に簡単に薄目をあける連れあい。しかし寝言はとまらない。クレッシェンドで繰り返す。
「おばけおばけおばけおばけ
おばけー!」
一際大きく叫んだそのとき、連れあいはわたしのほうを見ていた。さらに指まで指した。
そして、また寝た。
・・・・・・。
なんとかわいそうな連れあい。ひと時の安らぎを求めて昼寝をしたのに、魑魅魍魎の夢にうなされるとは。あまつさえ配偶者を物の怪と間違えるとは。
不憫である。これは肩を揺さぶるとか大声で呼ぶとか野蛮な方法で起こしては気の毒だ。
というわけで、水仕事で冷たくなった手を、連れあいの背中に差し込んで起こした。飛び上がって起きたよ。そんなに嬉しかったのか。
目を覚ました後なにか色々と文句を言っていたようだが、よく聞こえなかったので知らない。
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