他県の物産展とか、全国うまいもの市とか、その手の企画がデパートであるといそいそと出かける。そして何かしら買ってくる。せっかく行ったのだから、という気持ちもあるがそれだけではない。
例えば、わたしがうまいもの市を見ていた頃、殺人事件があったとして。そして犯人として疑わしい人物としてわたしの名前があがったとして。
新人刑事「犯人はあのアマモリとかいう奴に決まっていますよ!アリバイもないし、動機も十分です!」
中堅刑事「しかし本人は犯行時刻にはデパートにいたと言っている」
ベテラン刑事「裏はとれたのか?」
中堅刑事「何せ一人で行ったようで・・・・・。店員の中にも来店を覚えている者はいませんでした。デパートで買ってきたというお菓子を証拠として見せられましたが」
係長「お菓子?」
中堅刑事「はい。○○県の特産品だそうです。事件当時そのデパートで開催されていた物産展で購入したものだと主張しています」
新人刑事「そんなの通販でだって買えるじゃないですか。偽装ですよ偽装!」
係長「よし。アマモリのアリバイの裏をとり、平行して現場の聞き込みだ。凶器の出所も洗え」
刑事たち「はい」
進展しない捜査の合間に屋上でひとり煙草を吸う中堅刑事(二枚目)。横に係長が立つ。
係長「アマモリのことを考えていたのか」
中堅刑事「・・・・・・はい。わたしにはどうしても彼女が犯人だとは思えないんです。しかし状況証拠はそろっている・・・・・」
係長「信じたいのなら、信じてやればいい」
中堅刑事「え?」
係長「信じることから始まる捜査もあるということだ。信じたい相手なら、信じてみたらどうだ」
中堅刑事「・・・・・・。(煙草を消して)捜査に、戻ります」
で、結局証拠のお菓子の製造年月日から、それは事件当日の物産展でしか買えなかったことが判明。売り切れた時間を考えると犯行時刻前後にしかそのお菓子 は買えない。さらに○○県から出張して物産展でお菓子を売った菓子屋店員がわたしの顔を覚えていてアリバイ成立。疑いは晴れた。
と、いうこともあるかもしれないからわたしは物産展で必ず買い物をするのだ。だってわたしのアリバイが成立しないと、せっかく信じてくれた二枚目の中堅刑事がかわいそうだもの。ね?
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