いいこと(昨日の日記参照)があったので、昔の話をしよう。
あれはわたしが会社に入って最初の秋のこと。部長から「ちょっと話があるのだけど」とお昼に誘われた。
折も折。人事の査定が始まったころだ。遠くに異動かとどきどきしながら約束の豚カツ屋に出向いた。
ところが、話は異動のことではなかった。人事部からの指示で、来年、産休や育休を取るかどうか職員に聞いてまわっているのだという。未婚・既婚を問わずだから結構な数だ。人のプライベートに踏み込む仕事を、部長はしみじみ嘆いておられた。そして最後に言った。
「ま、あなたは大丈夫だと思うけどね」
この話、終わり。
・・・・・・・・。
・・・・・・・。
義理でも何でもいいから一応聞けや、オラア!!
とは、紳士なので言わないわたし。部長はわたしが紳士であったことに感謝すべきである。まあ、もう少し寒い季節だったら間違いなく手袋を投げつけていたが。
時はたち、部長は定年退職、わたしも所帯持ちになった。でも人事の話題が出るたびこの思い出はわたしの胸をほろ苦く染める。
あれ、いいことがあったから話す話にしてはしょっぱいなあ。
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