冷蔵庫の掃除をしていたはずが、興がのって床のワックスがけにまで手をつけた。前回のワックスから2ヶ月たっていないので少々早いが、気が向いたときが掃除のしどきだ。
まずは床を水拭き。一見綺麗だが使った雑巾はベージュになる。暮らしていればやはり汚れる。暮らしていなくても家は荒れる。宇宙が時間の経過とともに乱 雑さを増していくのなら、宇宙の一部である床が汚れるのは仕方が無い。空の続きを整理整頓するのは無理だが、目の前の床を掃除することはできる。
頭を使わない作業をしていると、色々なことを思い、思い出す。
行きたくない気持ちをなだめてすかして押さえつけて休日出勤したら、その日が業者によるワックスがけの日だったことがある。仕事を始める準備をしていた ら作業着の清掃業者さんが事務所にやってきた。当然仕事などできずそのまま職場をあとにする。後ほど確認したら会社の日程表に記載されていた。こういった 連絡を見逃すような人間だから、休日出勤しないと仕事が間に合わなくなるのだ。仕事は次の日の夜、ぴかぴかの職場で片付けた。
床が乾いたらいよいよワックスだ。ワックス液をふきつけ乾いた布でのばす。単調な作業に脳がよしなしごとを引っ張り出し暇つぶしを始める。
今日の昼食は何にするか。家族はみな出払っている。自分の好きなものを食べればいい。好きなもの。主食が好きだ。パンが好きでご飯が好きだ。おかずと白 米が別々のメニューよりも丼が好きだ。カツ卵とじ定食とカツ丼なら後者を選ぶ。以前利用した食堂では前者より後者の方が安くて得した気分だった。
本日の昼飯の話であった。何にしよう。トーストもいいが、白米もいい。はたから見れば貧しそうな食卓だが、ふりかけや鰹節をかけたご飯が大好きだ。それだけあればいい。小鉢も汁椀もいらぬ。お茶だけはほしい。おかわりも自由であってほしい。
空腹である。そういえば空腹である。もうすぐワックスもかけ終わる。これが終わったらお昼にしよう。ご飯にふりかけをたっぷりかけて食べるのだ。足りな ければ食パンだ。チーズやベーコン、トマトもある。主食アンド主食の夢の競演。独りであるが故の最高の贅沢だ。まさにここに掃除も終わる。さあ食べよう。 すぐ食べよう。
そんなわけでワックスがけが終わった。
そんなわけで今ワックスが乾くのを待っている。……早く台所に入りたい。おなかがすいたよ。
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