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子どものころに読んだ偉人の伝記にこんな描写があった。
光は身体のどこで感じるのか疑問に思った少年時代の偉人。陽光の降り注ぐ芝生に寝転んで目を閉じた。温かさはあるが光は感じない。目を開けてみる。眩しい光が飛び込んできた。光は目で感じているのだと少年は知る。
誰もが当たり前に思っていることをきちんと検証する。偉人のあり方を示すエピソードだった。
それはさておき、現代のわたしの話である。
耳たぶにちょっとした怪我をしてガーゼを当てねばならなくなった。耳たぶだけでは固定できないので耳全体に絆創膏を貼ることになる。耳の穴の上もテープで塞がれた。きっちり蓋をしているわけではないので音は十分に聞こえる。
我ながら驚いたのだが自分はこの状態だと、少しばかり味がわからなくなるのだ。判別できないというより味覚に集中できないと表現するべきか。そういえば普段から、料理の味見は音楽を聴いているイヤホンをはずさないと失敗する。
つまり自分が上述の偉人だったら、味を感じるのは舌と耳だと確信し、世間に理解されぬその研究に一生を捧げていたかもしれない。
凡人で良かった。
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虫の話あり。注意。
気温はなかなか下がらないが日は確実に短くなった。ふらりと思い立ってアイスを買いにでかけたがあたりはすっかり暗く、風も遠いはずの冬の気配を伝えてくる。実る過程で乾いていく稲穂がさらさらと鳴るのを聞くうちに店についた。
煌々と明かりの灯った商店の前、ぽつりぽつりと薄茶の枯れ葉が落ちている。こんなところにも秋が。立ち止まりしみじみと見る。見下ろした足元でばさばさと枯れ葉が羽ばたく。
枯れ葉が?
羽ばたいた?
比喩でなく?
大きな蛾だった。枯れ葉ではなく。
ここはまだ秋でなく夏だ。
確かに「太陽サンサン」と書いてある。
然り。されど。されどここは薬局なのである。「冷え性でお悩みの方」「虫さされには」「胃腸の痛みに」とところ狭しと貼ってある。その中に「太陽サンサン」とある状況をご想像いただきたい。
わたしが「大腸サンサン」と読み間違えたことを誰が責められようか。
無論、内蔵に敬称をふたつもつけるなんて随分丁寧だと感心したことに関しては多少の責があると反省はしている。
今日は家人の帰りが遅いようだ。食事の準備は出来たし風呂も洗ったし手持ち無沙汰である。
家人が帰ってくるまでのこの時間を有効に利用できないだろうか。夕食は家族がそろってからと決めているのでまだ食べるわけにはいかない。入浴は途中で家人が帰ってきた時対応できない。寝るまでにやっておくべきことで今できること。そうだ。
そんな思考過程を経て歯磨きをした。もちろん食べてからまた磨いた。二度手間だった。
ひらめきが生まれやすい場所として「馬上、枕上、厠上」などと言うが入浴時も色々と考える。身体の自由は大きくないが頭をつかう作業があまりないのがいいのかもしれない。
湯につかっている時は言わずもがな、身体を洗う時も習慣で手を動かしているだけで思考はフリーだ。過去の過ちを思い出したり現在の楽しみを反芻したり未来のあり方を描いたり。ごくごく細い脈絡をたどり思いはあちらへこちらへ跳び翔び飛ぶ。
石鹸の泡のように浮かんで消える。シャンプーの泡のように生まれて流れる。
シャンプーの泡のように?
前頭部はよく泡立つ。後頭部は全然泡立たない。泡立たないのみならずこの手触り。
頭の前部にシャンプー、後部にコンディショナーをつけてしまった。リンスインシャンプーならぬリンス&シャンプー。洗いなおすか否か思索の時間がまた始まった。
文具店で「『ひづけにゅうしゅちょう』って何?」と連れが訝しんでいた。
目線の先を追う。「日付入手帳」……日付いり手帳、かな。
連れあい寝言メモ。
「あれ?出入口どっちなの?」
「ねえ、眠れない」
「何でこんなに蛙入ってきてるの!?」
「眠れない、困った」
明らかな寝言の合間に眠れないと思い込んで訴えてくるのが面白いが、そのためにわたしのほうが不眠。
エビフライを作る。さくさく衣に緻密な肉のエビフライである。
皮をむき背わたをとり切り込みをいれて。
水分を拭いて小麦粉と卵をつけてパン粉をまぶして。
あとは揚げるだけ。
というところまで作業して海老に下味を付け忘れたことに気づいた。
衣を洗い落として、やり直した。
冷蔵庫から取り出した卵を割ろうとしたらゆでたまごだった。そういえば先日何個かまとめて茹でて保管していた。
ということはこれも茹でてあるのかともう一つ出していた卵を無防備にシンクの角に打ち付けた。
生卵だった。
散歩用の新しいジャージを見繕うためにカタログを数ページ読んだら運動が終わった気になってしまって全然歩けない。