散歩の途中、腕に虫が這うような感触があった。確認するが何もない。
ちょうどそういった知覚異常があらわれる病気があるらしい。病気は嫌だなあ。だからといって超常現象も少々手に余る。昔うっかり観てしまったホラー映画 が、透明なヨクワカラナイモノがじわじわと人間にとりついたり喰ったりする物語だった。怖いものが苦手な自分が何故あれを最後まで鑑賞したのか理解に苦し む。しかも人類滅亡のバッドエンドだった。この後味の悪さをどうしてくれる。
それはさておき、症状でも悪霊でもないのなら(そうでないと信じたい)、この腕を撫でるさわさわとした感覚は何か。
顔を寄せる。目をこらす。風が一陣。きらりと腕で光るもの。
蜘蛛の巣が引っかかっていた。
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