クリスマスにサンタが来ずサンタになることもなかった身の上でも、正月にはお年玉を用意しなくてはならない。甥や姪がいるからである。
わずかな紙幣と厳選したポチ袋。宛名と送り主は連れあいに書いてもらう。最初の一枚を手に取るとこうある。
「○○ちゃんへ
お兄ちゃん
お姉ちゃんより」
この年齢で「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」はあまりに図々しくて気恥ずかしくないだろうか、と意見する。じゃあどう書けばいいのさと不満顔の連れあい。年齢的にも続柄の上でも「おじさん」「おばさん」が適当ではないだろうか。わかった、そうすると頷く連れあい。
そんな会話のあと書かれた二枚目を確認する。
「××ちゃんへ
お兄ちゃん
おばちゃんより」
あくまでも自分が「お兄ちゃん」であることを譲る気はないようだ。
ちなみに何歳まで「お兄ちゃん」でいる気か尋ねたところ「俺は永遠のお兄ちゃんなのさ」と返ってきた。100歳過ぎても古希を迎えた甥姪に「お兄ちゃん」と呼ばれたいのか。ポジティブな人だ。
余談ながら三枚目は自分で書いた。送り主はフルネーム表記にした。
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