例えば明日世界が終わるとして。
世界の終わりの日にはスーパーもレストランも開いていないだろうから、わたしはいつもどおり台所に立って、毎日やっているとおり冷蔵庫の中の食材で、相も変らぬ食事をつくることになるのだろうなあと。
クリスマスに働いている人たちを見ると、唐突にそんなことを考える。
世界の終わりにも美味い物を食べるべく料理に精進するけれどもちっとも成果があがっていないわたしの物語の幕間を今日も綴ってみる。
3種類のサンドイッチを作る。大好きな具、普通の具、卵の3種類。
作ったサンドイッチをタッパに詰める。好きなものは後で食べる派のために順番を考える。
左から、普通の具、卵、大好きな具、普通の具、卵、大好きな具、の順番で一列に並べてみた。卵は彩りがいいので、他の2種類の間に挟む。
いや待て。右利きの人の場合、サンドイッチも当然タッパの右側から取るのではなかろうか。そうなるとこの並びでは完全に逆である。詰めなおす。
左から大好きな具、卵、普通の具、大好きな具、卵、普通の具。これで右側から食べていけば最後に好きなものを食べられる。
満足してタッパの蓋をしめ、大判のハンカチで包もうとしたとき。
気付いてしまった。
タッパの右辺と左辺を引っくり返せば、サンドイッチの並んでいる順番は逆になることに。
順番を気にして詰めなおす必要など、どこにもなかったことに。
世界の終わりの日に料理をしても、余計な手間をかけているうちに世界の終わりが来てしまうのではないかと今から不安である。
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