髪が伸びた。以前から気になっていた早くて安いのが売りの理容室で切ってもらうことにする。
シャンプーもせず、いきなり顔の横から切り始める。髪が乾いたままの状態でよくそろえられるものだ。さすがはプロ。
とりあえず、顔の両側が終わった。サイドが短く、後ろが長い、ちょうど平安時代の女性のような髪形に。
鏡に映る平安朝の自分。
・・・・・・似合わない。
平安時代に生まれていれば絶世の美女だったはず、という拠り所が、音を立てて崩れ去った。
1200年前も駄目だとすれば、わたしの時代はいつ来るのだろう。
理容室の外はたくさんの靴音がしていたが、わたしの時代がやってくる足音はまだ聞こえないようだった。
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