日暮れていく窓に向かって芋をむいている。食事の用意は少々頭も使うがどちらかというと単純作業が長い。気をつけていないとおかしなものが自分の中に入り込む。
ひどく昔のことを思い出す。昔の嫌なことばかり思い出す。後悔を積み上げて自責を堆積させ怨嗟を埋めるのが年齢を重ねるということか。
年はとりたくないもの。
本当に年はとりたくない。精神の問題は別にしても、体がきかなくなる。
今だって手元が見づらい。作業をはじめたときはクリアだった視界がかすんできた。疲れ目か。目をこらそうとしても視界が濁る。どんどんどんどん見えなくなる。瞬いても目をこすってもよくわからない。ああ。もう何も見えなくなってしまう。
……日没後なのに、台所の電気をつけ忘れていた。
蛍光灯を灯すと、手元も足元も大変明るく。多少心身が衰えても、まだまだ何とかなりそうだと気づく。
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