起きたら雪が積もっていた。1センチかそこらだろうか。
靴を履く。靴下が濡れなければいいが。雪は靴にしみないが水はしみるのだ。雪が水を含んでいれば、靴を通して靴下も濡れる。
踏みしめる感触は真綿。きしきしと音をたてる真冬の雪とは違う。しかしまだ早朝のためか、水っぽくはないようだ。安心して犬を連れて散歩に出る。
ふわ。ふわ。ふわ。雪が足のしたで沈む。雪景色全体にまぶされた春の気配は、人を何となく前向きにさせる。気持ちがうわつく。ふわ。ふわ。ふわ。足元で雪がとける。
ひとまわりして帰ってきても、靴の中は乾いたままだった。気分もよく重畳重畳。
犬に餌をやり、犬用の飲み水をかえようとしたら、水皿は凍っている。さほど寒くないとはいえ、積雪がとけない程度には寒い。厳寒期には熱湯でとかすのだ が、この季節なら容器を逆さまにすれば落ちてくるはず。くるりと反すが固まったまままだ。意外としっかり凍っているらしい。逆さまにしたままの皿を地面に たたきつける。
ざばあ!
思いのほか張った氷は薄かった。勢いよく氷まじりの水が飛び出し、散ることなく塊のまま、散歩の間ずっと足を守り通した靴にかかった。
雪も氷もしみないが、水は靴の中までしみるのだ。
朝から靴下を替えた。
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