以前は毎日通った道を、今は何週間かに一度くらいしか通らない。
たまに通ると、様子が変わっていて驚いたりする。
どんなありふれた日常も過去になるのだと気づいて、背筋を伸ばして景色を見直す。
カートをひいていくおばあさんもタクシーからおりた背広の人も不動産屋の看板も歴史建造物指定の標識も道路のかすれた白線も閉じたシャッターも青果店の桃のにおいもちゃんと覚えておこうと心を澄ます。
覚えておくことで、過ぎていく日々は安心して過去になれる気がするのだ。
覚えて、何かを受け取って、忘れるあるいは忘れない。
いつもの1日を大事にする。と、言ってしまえばそれだけの話。
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