時は秋。見上げれど見渡せど秋。
光はやわらかく。静かな午前。家人は出払い。
こんな日は。
こんな日は、そう。庭でおもちゃの写真撮影をしよう。
そうと決めたら準備だ。
まず被写体であるおもちゃ。今日は先日買ったばかりのニューカマーにお出まし願おう。はじめてのさつえい。胸が高鳴る。
表情やポーズを変えるための交換用パーツも必要だ。これがあるとないとでは表現の幅がぜんぜん違う。写真の腕が悪い分は道具でカバーしなくては。
もちろんメインの被写体以外の撮影用小物も忘れない。おもちゃの手前にちょっと写りこませることで写真に奥行きが出る。
おもちゃを立たせるためのスタンドも必須だ。
細かい部品が多いので小分けにして肩掛けかばんに入れる。
服装はちょうど庭仕事のあとで作業着なのでちょうどいい。このまま行くことにしよう。野外における小物の撮影は、膝をついたり肘をついたり壁によりかかったりで意外と服が汚れるのだ。
露出している肌には虫除けをスプレー。いつかのように顔に直接かけるような愚はおかさない。
自宅の庭に出るだけとは思えない格好になったがどれも必要不可欠なのだ。仕方がない。
庭の目立たないところに小物を並べて、スタンドが目立たないようにおもちゃもセット。気分は写真家。オーケーオーケーいい表情だいい光だいい気分だ。傑作が撮れそうな予感がする。いざいざいざいざいざ撮らむ。
あ。
カメラ忘れてきた。
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