万物みな凍り、冬。音も光も氷を一枚隔てたような冷たさ。
水を含んでいたタオルはボール紙のようにしなやかさを失っている。干していた形のまま固まっているのだ。
朝にお湯を入れていたバケツは、誰も触らぬまま昼過ぎには氷がはっている。
そのバケツからこぼれたらしい氷のかけらが、数日前からとけもせず、するどく美しく玄関にばらまかれたままだ。掃き掃除の際に集めると、ちりちりとガラスのような音をたて。
って、これ、氷ではなくて、ガラスそのものだった。
そういえば年中つるしているガラスの風鈴がなくなっている。最近音も聞いていない。
つまり数日間、玄関先にガラス片が散らばったままだったということか。誰にも怪我がなくてよかった。そしてどうして誰も気づかないのだ。
ようやく片付けたので、今度の宝くじは当たると思う。掃除をすると運気があがると信ずる者としては。風鈴が無事だったころから当たったことはないのだが。
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