鞄の中に暇つぶしに読むつもりだった本が入っている。好きな俳優が書いた本だ。
鞄の口から覗くと、裏表紙の著者紹介がちらりと見える。昔に撮った写真だろうか。若い頃の写真を使うのは作家ではよくあることだ。この俳優の写真も今と全然顔が違う。髪型も違う。眉のカーブも違う。眼鏡も違う。鼻の形も違う。骨格も違う。
ん?
裏表紙が見えていた本を取り出すと、俳優の著書とは全然違う本だった。予備にもう一冊持ってきたほうだ。無論作者の顔も年齢も俳優とは似ても似つかない。
好きな俳優の顔も見分けられないとは。何たる節穴。ブルーベリーでも食べるか。
ついでだから俳優の著書は文庫版で、間違えたほうは新書だったことも書き添えておく。
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