一日の終わり、自分のためだけにお茶を淹れる。
本日の業務は終了だ。指ではがれかけてひらひらする絆創膏もくたびれている。一通り片付けた部屋で、自分の眼球だけがしなびているようだ。太陽はとっくに地球のあちら側に挨拶にいった。
わたしも自分の部屋に戻ってもいいだろう。
お茶を持って台所を出る。ドアを閉めて自室へ向かう。
そのとき、つい、と手が引っ張られた。背中にあるのは誰もいない台所。
そのまま進もうとしても放してくれない。
わたしの指を引くのは、誰?
答え:指からはがれかけた絆創膏が、台所のドアにくっついて取れなかっただけ。
しかし体からはがれてしまうほど粘着力が弱まっているのに、ドアにはぴったりとついてとれないとはどういう了見だ。満腹だけどアイスクリームは別腹みたいなものか。ちょっとびっくりしたのでやめてほしい。
ついでにご報告すると、歩こうと踏み出した瞬間にに指を固定されたので、当然そのはずみでお茶をこぼした。
本日の業務は終了したはずなのに。残業決定。
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