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起きて日常、寝て日常。

 ここには破もなく急もなく、 とりとめなく節操なく知識なく事件もなく全て世はこともなし。

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2026.02.04 (Wed)
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言霊のちから

 日本は言霊の幸ふ国。でも、人は言葉によって幸うばかりではなく、不安になったり哀しくなったりもする。
不安になる言葉とはどんなものか。
「死」?「亀裂」?「孤独」?「無」?「回転」?「群集」?「干渉」?「円安」?「減給」?「懲戒解雇」?

わたしは「保護者」が気になる。漠然と心細い。
わかりにくいと思うので、例をあげてみる。

学生のあなた。授業が終わった後、担任の教師が近づいてきてあなたに言う。
「後で職員室に来て」
これは怖い。何を言われるのか、自分は何かしたか、心当たりがなくても不安だ。心当たりがあればなお逃げ出したい。
表情を曇らせたあなたに、担任はさらに言う。
「あ、保護者の方と一緒に来るように」

嫌だ。一人で呼び出されるよりさらに嫌だ。

「保護者」が恐ろしい例として、もうひとつ、拙い物語を書いてみよう。


Aは真っ暗な部屋の中で一心不乱に呪文を唱えた。
Aの前には直線と曲線が複雑にからみあった図形が描かれている。漆黒の深夜、その図形だけが何故か青白い。
Aは、この世ならざるものを呼び出そうとしていた。
それは復讐であった。自分を見下し無視し蔑み蔑ろにしながらも、自分の大切なものは根こそぎ奪っていった者たちへの、怨念のなせる業。
Aの中は煮詰められ濁った情念が堆積し、汚泥をたたえた沼のよう。沼から沸く長い長い呪文。
やがて、術は成った。
呪文を終えた一瞬の後、地響きとともに「それ」は現れた。
紅い眼。耳まで裂けた口。大樹のごとき角をもち、蝙蝠の翼を背にもって。
驕れるものをあざ笑う傲慢の王。喰らい奪い殺戮する悪徳の具現。大罪すらも装身具でしかない、禍々しいおぞましい姿をした魔の者が、図形の中心に立っていた。保護者同伴で。


いかがだろうか。
もう、なんか、がっかり。文末に「保護者同伴で」をつけただけで、この情けなさ。
とにかくすごい悪魔だけではなく、その大物悪魔の保護者までいるのだから、最強の布陣のはずなのに、Aの復讐はうまくいかないという確信をもってしまう。

「保護者」という言葉は不安を呼ぶと申し上げた意味がわかっていただけただろうか。
「保護者」、特に「保護者同伴」。嫌な言葉だ。

ちなみにこの日記は、保護者は同伴せずに書いている。ご安心いただきたい。
「保護者同伴ではない」とあるのに、何だろう。この頼りなさ。言葉は不思議だ。
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2007.07.27 (Fri)
Category[日記]
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