ざあざあ風。きりきり日差し。気流めぐり地球めぐりてまた夏である。
今日は風が強いので、日陰で静かに夜をまつ分には過ごしやすい。日光がさんさんと注ぐこんな日に外に出るなどとんでもないことだ。しかしながらとんでもないことは世の中には珍しくなく、自分も犬の散歩に出ねばならぬ。汗だくになりながら行ってきた。
額の汗を風が乾かす爽やかさ。こんな日に外に出ないなどとんでもないことだ。
気分がいいので、犬の餌にペット用のかつおぶしをいれてやる。暑さで少々食欲が落ちている犬に対し、目新しい味で元気を回復してもらおうというわけだ。ドライフードにウェットフードを少し、上にかつおぶしを多めにかける。これなら喜んで食べるだろう。
いそいそと犬のもとへ持っていくそのとき、先ほどまでよりも一層強い突風が吹いた。
風を追った眼にうつる、ひらひらと飛んでいく「おがくずのようなもの」。
手の中に視線を落とすと、餌の皿に入っていたはずのかつおぶしが、すっかりなくなっていた。
さりさり風。からから日差し。気流めぐり地球めぐりてまた夏。消えたかつおぶしがまた風にのって戻ってくるのはいつの日か。犬が待っているので早く帰ってきてほしいものだ。
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