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連れあい寝言メモ。
夜にお手洗いから戻ると、寝ていた連れあいがかなり真面目な声で言った。
「ごめん。俺が悪かった」
室温が氷点下になるにも関わらずわたしの掛け布団を横取りしたり、室温が氷点下になるにも関わらずわたしを敷布団からおいだしたり、室温が氷点下になる には関わりがないがわたしの腹や腰を足枕がわりにしたり。悪逆非道を極めた彼の寝相に対しては一度腹をわって話さねばならぬと思っていた。眠っていてこん なにも悪事のかぎりを尽くすということは、人間の本質とはすなわち悪なのであろうかと哲学的な問いを抱いたほどである。
しかし、本人が真摯に詫びてきた以上、これは気持ちよく許すべきであろう。うん、と短く答えて布団に戻る。すると連れあいは、ひどく意外そうな様子で
「あれ?アマモリ、そこにいたの?」
お手洗いには立ったが、それだけでずっとここで寝ていた旨を話す。
「今、外で奇声をあげながら走り回っていたのはお前じゃなかったの?」
あなたは夢の中でわたしにどんな酷い仕打ちを。やはり人の本質は悪と闘争にあるのであろうか。性悪説を提唱したのは誰であったか、思い出そうとしているうちにわたしも眠る。朝起きたら毛布がはぎとられていた。
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通りがかりの人が勘違いしてこちらに手を振らないように。
それなりに気を遣う窓拭き。
ページを繰る手がひりひりと冷えてきたことを機に本を閉じた。病院前のバス停には自分しかいない。
家にいるときより薄着をしているのが思いのほか寒い。検査のため服を脱いだとき、時間節約のため重ね着の一部をかばんにいれたせいもある。
服の着脱が必要な検査があるとわかっていたのだから、多少の工夫をしてくるべきだった。防寒にもならないお洒落のための重ね着は面倒なだけだったし、 ジーンズの下にタイツを着ていたら足首の露出が必要な心電図検査で上から下まで脱ぐはめになった。紳士用のタイツは股引やズボン下(今風の言い方がわから ない)のように裾から足首がでているが、婦人用タイツは足先まですっぽり覆った袋状なのだ。足をだせと言われたら脱ぐしかない。
そういった服の問題から採血針の鋭さ等さまざまな苦難をを乗り越えて、今帰路のバスを待っている。
読んでいた本をバッグにしまう。かばんの中にマフラーが見えたので、これを巻いてバスがくるまでの寒さをしのぐことにする。
くるくると巻かれたマフラーを一気に広げる。長い長い、黒の、二股にわかれた、
それは、マフラーではなく、先ほど検査のときに脱いだ、タイツだった。
わたしの手を支点にひらひらと風に舞うタイツ。
うあああああああああああああああ。
バス停で使用済みのタイツを広げるなど、はしたないを通り越して破廉恥きわまりない。多分誰にも見られていないとは思うが。思うが。思うが。
ああ。村史の片隅を汚す村民で申し訳ない。今後は脱いだものはきちんと着なおします。
暦のうえではとうに春だが、当地はまだ冬である。
それでも今年の冬は暖かい。朝こそ氷点下10度を下回るが、昼には0度を超える。真冬日がほとんどないのだ。朝汲んで室内に置いた水が夕方までの間に凍ってしまうこともない。
しかし雪は多い。寒くはあっても積雪は比較的少ない土地であるはずが、目覚めたら膝上まで雪が積もっていたことも何度かあった。季節にみたびも行えば十分のはずの屋根の雪下ろしを、既に片手の指では足りないほどやっている。
多すぎる雪はロマンチックなものではありえず、ただ戦い破れ屈服し通り過ぎるのを待つ対象である。雪かきは重労働で、圧雪が凍った路面は恐怖だ。積もった粉雪が風で舞い上がる地吹雪は氷で目隠しされたかのように視界をさえぎる。なにかにつけ雪は恐ろしい。
ただ、まったくもって癪なことに、冬と雪はやはり美しく詩的でもある。何もない空より無数に落ち来る白のかけら。雪の夜のほの明かり。きりきり冷える朝 の空の透明。積雪の上を歩く軋み。何ものかの足跡をたどる遊戯。音をこもらせる静けさ。万物の凍てつく清潔。地吹雪すらしかと目をあけて観察すれば、天馬 の群れのごとく駆け抜ける。まことに玲瓏にして気高い冬という季節。
当地はまだ冬であるが、暦のうえではとうに春である。
道を覆っていた氷が薄くなる。雪をふめばぱしゃぱしゃと水のはねる音。雪はみぞれに、みぞれは雨に、そしてまた雪がまじり。
馴れない動物が少しずつ寄ってくるように、次の季節が見え隠れする。
季節はめぐるが、同じ季節は来ない。今年の冬は今年で終わり、来年の冬はまた別の冬だ。だからちゃんと見て聞き感じて語らわなければならない。今だけのこの季節を。
そんなわけで。
わたしが先ほど玄関先で「駄目だよ」とか「早く入ったら」とひとりごちていたように見えたのは、去りつつある季節と語らっていたのである。
決して断じて誓って、薄暗いなか、屋根から落ちた雪の塊を飼い猫だと見誤って話しかけていたのではない。
抱き上げた雪は冷たく、腕の中で水まじりになって崩れた。
もうすぐ春。
腰が痛い。寒さのせいでもあるだろうし、雪かきのせいでもあるだろう。どちらも自分の意思ではどうにもならぬ。痛ければそれなりに痛みと付き合うしかないと諦める。
椅子に体育座りして前かがみでパソコンを触るのもよくなかったかもしれない。あれは確かに腰に負担がかかる。椅子から立つと、関節がなくなってしまったかのように体が硬い。これは改善の必要がある。
ついつい体が丸まるのは寒いからだ。椅子に座った膝に湯たんぽをおいてみる。温かくていい具合だ。
しかし胴体はすうすうする。膝が温かい分かえって寒さが際立つ。おなかもあたためようと膝の湯たんぽを胴に押し付ける。下半身も冷えないように気をつけながら。
これはいい。ひとつの湯たんぽで腿から肺の下あたりまで温める省エネ姿勢。これでもう寒くない。
足と胸の間に湯たんぽを挟んだだけの、体育座りに戻っていた。
世の中の仕組みがわからない。
昨日買った消費期限が28日までの牛乳が、見切り品として20パーセントオフ。
一昨日買った消費期限が27日までの牛乳が、通常の値段。
どちらも同じメーカーの同じ商品。
世の中の仕組みがわからない。
泡立たない石鹸だと思ったら軽石だった。
箇条書きにて現在の状況をご説明申し上げます。
1 猫、戸外へ脱走。
2 猫、ねずみをくわえて帰還。
3 ねずみ、まだ息がある。
4 猫とねずみをひきはがし、猫を隔離。
5 ねずみをつかむためのごみばさみ(ゴミ拾いに使う大きなトングのような道具)を取りに玄関へ。
6 来客とはちあわせ。
7 しばし歓談。
8 来客帰る。ごみばさみを手に慌ててねずみのもとへ。
9 ねずみいない。
10 どこにもいない。
報告は以上です。
では、邸内の探索に戻ります。
「驚くなかれ」
……は?
「驚くなかれ」
何に驚くなって?しかも「なかれ」って。
「へへっん、驚いてやんの。驚くなかれって言ったのに」
寝ている人間がいきなり話し出してしかもそれが文語体だったら普通はびっくりするだろう。驚かないほうが失礼にあたるくらいだ。
以上。連れあい寝言メモ。
一人暮らしの親戚が何週間か家を空けるため、余っている食材を我が家でいただくことになった。
その内訳。
いよかん(乾きかけ) 9個
キウイ(腐りかけ) 14個
もやし(傷みかけ) 2キロ
さつまいも(変色済み) 2本
……どうしろと。むしろどうしよう。