流氷から落ちて海岸に打ち上げられてしまうアザラシについてテレビで紹介していた。
次々と画面に映されるアザラシたち。中には怪我をしているものもいる。やせ細っているものもいる。そして皆、ぴくりとも動かない。
「全然うごかないね」「もう力尽きているのかな」「かわいそうね」と茶の間で我々は会話をかわす。
そのとき、家人が気付いた。
「あ、これ写真だ」
……そりゃあ動かないはずだ。
和み系の風貌のくせに人間を悲しい気持ちにさせるなど不届きなアザラシたちだ。保護された施設でぶくぶくに太らされて冷たい海に放されて必死で泳いで故郷に帰っちまえ。そしてもう打ち上げられた海岸には来るな。畜生め。
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