一年半前、町中のペットショップをまわって、一番可愛かった猫を連れて帰ってきた。
我が家の猫は、町で一番可愛い、と断言して憚らなかった当時。
先日、田舎の母と電話で話した。何となく猫の話題になる。
「今でも自分の家の猫を、町で一番可愛いと思ってる?」
もちろん、と即答するわたし。
電話を切ってから、まじまじと立派な大人になった猫を見てみる。
冷静に考えると、「町で一番」はなかったかもしれない。少々表現に瑕疵があったやもしれぬ。子猫のころは「町で一番」でよかったが、さすがに今は
今は、「北日本で一番」くらい可愛いのではないか。
飼い主馬鹿は、東日本で一番くらいかと。
台所で水仕事をしていたら、ふくらはぎに何かが軽く触れた。
きっと猫が側を通ったのだ。ひげが触ったような感触だった。可愛い可愛い我が家の猫の姿を見るため、足元に目をやる。
猫はいない。
かわりに、蝿がわたしの足から飛び立った。
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