原因に心当たりはないのだが、背中が痛い。
筋肉痛かとマッサージをしたのだが、かえって痛みが増した。
これはきっとわたしの中の「何か」が目覚める前触れなのだ。そのうち背中に羽がはえてくるに違いない。天使の誕生に立ちあえるとは幸せな。
もしくは長年の剣の修行の負担がついに体にきたか。迅雷の剣士と呼ばれた自分ももうおしまいだ。修行にも雷の異名にも覚えがまったくないのはこの際おいておく。
あるいはわたしの守護霊様が来るべき危険を察して、警告しているのかもしれぬ。いったいこの世界に何が。
事件の真相に近づきすぎて、犯人にうとまれていることも考えられる。昼食のミートソースに何か入れられたか。もう少しであの密室の謎が解けそうなのに。
などと設定しつつ痛みに耐えている。
意識の底で「老化現象」という言葉が見え隠れするが気にしない。こんなに思考が幼い人間が老いているはずがないではないか。
PR